麦穂4月号巻頭言 ガーデン・ルー 主任司祭 細井保路

2026/4/20

              ガーデン・ルー                          主任司祭 細井保路(ほそいやすみち)  庭の一角でハーブの寄せ植えをしています。フェンネルが繁ってきて、隣りに植えてあったガーデン・ルーがほとんど見えなくなってしまいました。ガーデン・ルーは猫除けの植物として知られています。やさしい形状の葉は青みの強い独特な色をしています。初夏には黄色い小花を咲かせます。ところが、復活祭の朝、すでに花が咲き始めているのに気がつきました。予想していなかったので、びっくりしました。  イエスさまのご復活の出来事と重ね合わせるには、スケールが違い過ぎることかもしれませんが、復活されたイエスさまに再会した弟子たちも、まさに予想外の出来事にびっくりしたのです。大切な人を失った弟子たちは、時間をかけてその悲しみと喪失感を乗り越えていかなければならなかったはずです。それが、三日目の朝には、人が最後に辿り着くはずの神の御手の中にある姿をイエスさまが垣間見せてくださったのです。しかも、この移ろいゆく世界にある私たちも、同時に神の救いの御手を感じながら生きることができると気づかせてくださったのです。愛されていること、それゆえ赦されていること、そして 救われていることを、私たちは断片的に体験し、繰り返し味わいながらその実感を深めていくのです。  花が咲くたびに、その花の様々な場面、芽が出て、葉が繁り、種をつけるそれぞれの時をなぞりながら、どの瞬間にも宿る神さまの息吹きを感じることができるのです。ちいさな黄色い花がそれに気づかせてくれました。  この植物が聖書に出てくるのをご存じでしょうか。ルカ福音書11章42節にこう書かれています。「あなたたちファリサイ派の人々は不幸だ。薄荷(はっか)や芸香(うんこう)やあらゆる野菜の十分の一は捧げるが、正義の実行と神ヘの愛はおろそかにしているからだ」。  「薄荷や芸香」という箇所は、フランシスコ会訳の聖書では、「はっかやヘンルーダ」、英語では「ミント・アンド・ルー(mint and rue)」となっています。さらに2018年に発行された「聖書協会共同訳」の聖書では「ミント、コヘンルーダ|と表記されています。  英語では「ルー」、和名は「ウンコウ」、ミカン科で属名は「ヘンルーダ」です。さらに、薬効の強いものは「コヘンルーダ」と呼ぶようです。  教会の庭を覗いて、気の早いヘンルーダの花の様子を確かめてみてください。

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