麦穂12月号巻頭言 神に栄光、人に平和 主任司祭 細井保路

2021/12/10

              神に栄光、人に平和                              細井保路(ほそいやすみち)  40年以上唱えてきたミサの式文が、1年後から一部変更されることになりました。長年にわたって改訂作業をしてきた方たちの大きな苦労には感謝しなければなりませんが、耳に馴染んでしまった言葉が変わるので、多少混乱があるかもしれません。1年かけて少しずつ理解していくようにしましょう。 たとえば、栄光の賛歌(グロリア)の冒頭部分は「天のいと高きところには神に栄光、地には善意の人に平和あれ。」と唱えていましたが、改訂後は、「天には神に栄光、地にはみ心にかなう人に平和。」となります。できる限り口語表現にするという改訂のようです。  この言葉は、ご存知のように、イエスさまの誕生を羊飼いたちに告げる天使の賛美の歌から取られています。ルカ福音書2章14節です。新共同訳ではこうなっています。「いと高きところには栄光、神にあれ、地には平和、御心に適う人にあれ」。  「栄光」という言葉は、神さまのなさるわざの偉大さ意味する言葉です。天使たちはまず、この世界は、神さまのなさる偉大なわざで満ちている、という賛美の歌を歌います。そして続けて、神さまのわざの偉大さを、神さまのお望みとして受け入れる人たちは平和で満たされると歌うのです。この世に救い主として来てくださることで、神さまの愛の深さが示されました。その出来事の始まりを祝うのがクリスマスです。クリスマスを祝うとき、神さまの偉大さに気づき、受け入れ、賛美することで、私たちの心は平和で満たされるのです。「神の栄光」は、その愛、ゆるし、あわれみ、恵みに気づくことによって私たちに示されます。それに容易に気づくことができるのは、イエスさまが救いのメッセージを携えてこの世界に来てくださったからです。私たちが神さまを賛美する平和な心を持ち続けられるのは、イエスさまの誕生があったからなのです。  毎年のように、クリスマスに幼子イエスさまをお迎えします。そのときに感じる「神さまの栄光を賛美する平和な心」をいつも持ち続けることができるように心がけましょう。

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