麦穂1月号巻頭言 よい年になりますように 主任司祭 細井保路

2022/1/9

            よい年になりますように                              細井保路(ほそいやすみち)  新しい年が始まりました。元旦には海の公園に初日の出を見に行くことができました。雲も風もない穏やかな朝で、たくさんの人たちと一緒に見事な朝日を迎えました。正月に誰の心にも宿る平和な気持ちを、この一年しっかりと持ち続けたいと思います。  昨年は、皆さんの慎重なコロナウイルス感染防止対策のおかげで、無事に乗り切ることができました。土曜日と日曜日のミサに分散して参加していただくことと、参加を控えてくださる方もいたおかげで、特別な規制をせずに過ごすことができました。今年も、同様の対応でスタートしたいと思います。入口での手指消毒とマスク着用と換気を励行しましょう。現在手にしている安全、安心には、聖堂の掃除をしてくださっている人たちの陰の力があることも忘れないようにしましょう。 1月の初めの日曜日は御公現の祭日でした。福音書には3人の博士が登場します。聖書の時代に天体の運行を研究していた人たちは、大きな自然界の中に何かのしるしを探し求め、その自然に寄り添うように生きていたのです。もちろん、古代から自然に対してはもう一つの態度があって、それは、自然から謙虚にメッセージを探るのではなく、自然を暴き、征服しようとする生き方でした。すべては神さまが創られたものであり、私たち人間もその自然の一部であることを考えてみると、人に対しても、相手に寄り添い、相手の気持ちを大事にする生き方と、相手の思いを意地悪く暴き、相手を征服しようとする生き方があることに気づきます。それはそのまま、小さな赤ちゃんの前に跪いた博士たちと、殺そうと企むヘロデの姿に重なります。  謙虚さを忘れないようにしましょう。神さまに対しての謙虚さ、一人ひとりが神さまからのいのちを宿している「人」に対する謙虚さ、神さまが創られた自然界のすべての現象に対する謙虚さを持ち続けましょう。謙虚であると言うことは、博士たちが星の運行に寄り添ってメッセージを読み取ろうとしたように、あらゆる現象やあらゆる出会いから良い知らせを聞き取れるように耳を澄ますことです。  博士たちが、聞こえて来たメッセージに答えて、行動を起こしたことも忘れてはなりません。私たちも「愛している」という神さまからのメッセージを様々な事柄の中に聞き取りながら前進して行きましょう。

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