麦穂3月号巻頭言 ルピナス 主任司祭 細井保路

2026/3/8

                ルピナス                         主任司祭 細井保路(ほそいやすみち)  2024年に日本の司教団が発行した『見よ、それはきわめてよかった―総合的エコロジーへの招き―』という本を、昨年、各々の教会で読むことが勧められていました。遅ればせながら1月から、聖書講座の時間を使って、読み始めました。生活を見直すときの、「見る」「判断する」「行動する」という三段階に合わせて、3章の仕立てになっています。その最終章はこんな言葉で始まります。  「『一人ひとりに呼びかけます。わたしたちの住まいである世界との和解のこの旅路に加わり、それぞれ固有の貢献で世界をより美しくしてください』(『ラウダーテ・デウム―気候危機について―』より)。教皇フランシスコは、責任ある関与を繰り返し喚起します。・・・個人も、あらゆる共同体も教皇が呼びかけるエコロジカルな回心を深め、ライフスタイルと日々の行動を見直し、次世代のために美の種を蒔くという創造主から託された使命を重く受け止めなければなりません。」 「美しい」とは、「神さまのお望みにふさわしい」と言い換えることができます。ちなみに、「正しい」とは、「神さまのお望みにかなっている」ということです。聖書では「義」という言葉が度々出てきますが、それはまさに、創造なさったすべてのものを「よし」とされる神さまの「みこころ」を受け取ることなのです。「世界を美しく」ということは、「みこころの実現に向けて生きよう」という呼びかけです。  これを読んだとき、すぐに思い出したのは、『ルピナスさん』(バーバラ・クーニー作)という絵本です。主人公は少女時代、大好きなお祖父さんに夢を語ります。そのたびにお祖父さんは、「それはけっこうだ。だが、もうひとつしなくてはならないことがあるぞ。世の中をもっと美しくするために何かしてもらいたいのだよ。」と言うのです。次々に夢を叶えていった主人公は、お祖父さんとの約束もいつか果たそうと思いますが、何をしたらいいのかわかりません。ある年、寝込んでしまい、やっと元気になって散歩をすると、庭で育てていたた大好きなルピナスの花の種が飛んで、村のあちこちに咲いていました。それを見た彼女は村中をルピナスの花でいっぱいにすることにしたというお話です。  この絵本が大好きで、わたしも庭にルピナスを植えるのですが、寒冷地を好む花なので、暑い夏をなかなか越せません。それでも今年も花を咲かせてくれています。神さまのお望みにふさわしい生き方をそれぞれに模索しましょう。

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